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第14回 ライブペインティング考

更新日時2012.10.22

僕はアートに興味が無い。なのにいつの間にやらアートの世界に足を踏み入れるようになってしまった。それも作家ではなくプロデュースという立場でだ。

故に、僕の思いはいつもこうだ。「アートに興味が無い人に、少しでも興味を持ってもらいたい」。クリエイターを紹介する「静岡維新」という静岡で唯一の文学・芸術フリーマガジンを発行しているが、それもこの思いが土台になっている。アートの裾野を広げること、これが自分の使命だと思っている。

アートに興味のある人は全然多くはないと僕は肌感覚で勝手にそう思い込んでいる。実際、街中に絵が飾られていても、それを見る人なんて見たことないし、日常的に美術館に行く人も周りにはあまりいない。確かに、アートの業界に足を踏み入れると、芸術に興味のある人ばかりで、まだまだ芸術も捨てたもんじゃないなと錯覚するが、実際に世間的な興味としてはやはり低いと言わざるをえないだろう。だからこそ、どうしたら一般の人々にアートの楽しさを伝えることができるのかを常々考え、模索している。

2012年7月に新静岡セノバから「ライブペインティングを出来る人はいないか?」という問い合わせをいただいた。浜松のアーティスト・アヤスズキさんにお願いして、セノバのけやき通り方面の入口でライブペインティングのパフォーマンスを行った。

自分自身、ライブペインティングのイベントをしたのは初めてだったが、これほど人を惹きつけるものがあるのかと驚いた。セノバは休日だと3?5万人ほど人々が訪れると聞いていたが、そのほとんどの人々がライブペインティングを見ていく。スマホでカメラを撮る人や、しばらく見入る人、作家に話しかける人、皆それぞれがアートに触れ合っていた。普段は美術館に行かないような人もライブペインティングは見ていくのだ。ここに僕は新たなアートの可能性を見出したような気がした。誰しもアートに興味が無いわけではないのだ。ただ知らないだけ、気づいていないだけなのだ。目の前に出されれば興味を持つし、それなりに楽しんでくれる。良さだって分かる。

アートの有効性について考えた時、これほど良い方法はないのではないかと思った。つまり、無名のアーティストがどこかのギャラリーで展示会をしても100人くらいしか来ないところが、ライブペインティングをすれば1日で3万人の人々に見てもらえるのだ。アーティスト冥利につきるのはもちろん、エンターテインメントとしても非常に面白いコンテンツ足りうる。アート単体で集客するのは難しいが、もともと人の集まるところには、アートを投入することでさらなる価値が生まれる。店舗や企業の価値を上げるという意味でもアートは非常に意味を持つコンテンツになるのではないかと感じた。

プロフィール

武友淳(たけとも・じゅん)
1983年菊川市生まれ。維新エンターテインメント株式会社代表取締役。プロデューサー。2010年静岡のクリエイターによる文学・芸術マガジン「静岡維新」(http://shizuokaishin.com)を創刊、現在も編集長を務める。アートと企業の架け橋になるような企画・イベントなどのプロデュースを手がけている。

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