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第17回 平成25年春は伊豆の仏像、大ブレイク

更新日時2014.01.09

伊豆には数多くの仏像が伝存しています。昨年春、願成就院(伊豆の国市)の運慶作・阿弥陀如来像が国宝に指定されました。運慶は鎌倉時代の仏師ですが平安時代の定朝と並ぶ日本最大の彫刻家です。定朝は宇治の平等院、阿弥陀如来像(国宝)の作者です。願成就院の阿弥陀如来像は以前から鎌倉時代の代表的な作品であるということで重要文化財に指定されてきました。それがこの度、国宝になったのは鎌倉時代の彫刻作品として代表するものであるという評価が確認されたことからです。そうしてみると平安時代の定朝が好きか、いやいや鎌倉時代の運慶が好きか、同じ阿弥陀如来像で比べてみるのも楽しいことです。

願成就院の仏像は以前から公開されてきており、多くの仏像ファンが押し寄せてきました。私も幾度となく拝観してきましたが、阿弥陀如来像の圧倒的なボリュームは目を見張るもので拝見するたびに感動しました。さらに自然な衣の皺は木でできていることを忘れるほど自然な衣紋です。願成就院の同じ運慶作の不動明王及び二童子像と毘沙門天像も国宝に指定されました。

願成就院の国宝指定とともにうれしいことは函南町と河津町の貴重な仏像を公開する施設が開館したことです。いわば、平成25年春は伊豆の仏像大ブレイクと言ってよいでしょう。

「かんなみ仏の里美術館」は函南町桑原薬師堂の仏像が函南町に寄付されたので、函南町が展示施設を建設したのです。この美術館では平安時代中ごろに制作された薬師如来像が拝見できます。整った御顔、張りのある堂々とした体は平安時代を代表する仏像です。この薬師如来像には家来として十二神将像が伝わっています。さらに重要なことは鎌倉時代の素晴らしい仏像があることです。それは阿弥陀三尊像です。運慶と同時代の仏師・実慶の作で極めて整った仏像です。鎌倉時代の貴重な仏像として重要文化財に指定され、ロンドンの大英博物館でも展示されたことがあります。

「河津平安の仏像展示館」は河津町谷津に開館しました。河津町といえば河津サクラで有名です。この展示館は昨年の2月20日に開館しました。私は3月上旬に早速拝観に伺いました。昨年の河津サクラは寒かったせいで遅れ、私が伺った3月上旬も多くの観光客で賑わっていた。

この展示館の見どころは何よりも平安時代前期つまり千年以上も前に制作された仏像を拝観できることです。薬師如来像(写真)は堂々とした体で衣の皺が平安時代前期の特徴を示しています。大きな目をギョロリと向ける二天像も古い仏像でとても魅力的です。

このほか、下田の上原仏教美術館でも古い仏像が拝見できます。伊豆市修善寺町の指月殿では巨大な釈迦如来像を拝見することができます。

伊豆半島一円、仏像探訪の旅は楽しい。

プロフィール

日比野秀男(ひびのひでお)常葉大学特任教授
昭和22年(1947)島田市に生まれる。昭和48年(1975)慶応義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。静岡県教育委員会、静岡県立美術館、常葉学園短期大学、常葉学園大学を経て現職。文学博士(慶應義塾大学)。江戸時代の文人画研究、静岡県内文化財の調査と研究に従事。著書『渡辺崋山―秘められた海防思想―』、『東海道と美術』など

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