2020 年 9 月 4 日
K’s pro.公演 Vol.23 「NUTCRACKERくるみ割り人形」
短い夏休みが終わり、虫の声が聞こえるようになった8月最後の週末、静岡県舞台芸術公園 野外劇場「有度」でコンテンポラリーダンスチームK’s pro.の「NUTCRACKERくるみ割り人形」公演が開催されました。
新型コロナウィルスの影響で、舞台作品を創るということが難しい特別な夏の公演になってしまいまさしたが、K’s pro.は諦めずに、許される範囲で、とても秀逸な作品を届けてくれました。
K’s pro.公演の楽しみの1つ、ゲスト・ダンサー、ゲスト・ミュージシャンがコロナ感染予防の為、県外から呼べません。
そんな中、K’sの構成・演出の陰山 泰は、早くから静岡入りし、新たな拠点を構え、作品に取りかかる。
そんな制作中の陰山氏に会うことが出来た。
その目は眼光鋭く、公演開催を見据え、不自由な制限にもかかわらず言葉の節々には、意欲的にも自信にも似た力強さを感じました。
バレエ作品でも人気の「くるみ割り人形」
そして、誰でも1度は耳にしたことがあるチャイコフスキーの音楽です。
心を浮き立たせる音楽と、キレッキレに踊る各国のお人形ダンサー!とてもキュートなブロンドヘアーのリトルダンサー!
賑やかに盛り上げる展開に観ているだけで微笑んでしまいます。
スクリーン映像を使った幕間の演出は、コロナによって会えなくなってしまったクララとお友達。
くるみ割り人形と各国のお人形が、実感を失った現実の姿に複層的な奥行きを与えているように感じとれました。
そして圧巻の「花のワルツ」
華やかで、華麗に音楽に身を委ねるクララ(森本京子)
それぞれが踊っているのにピタリと揃う難易度の高いテクニック!!
今回、この「花のワルツ」にK’s pro.の、陰山 泰の、森本京子の、森本バレエ研究所の感性が、コンテンポラリーダンスの証しを残したといっても過言ではないだろう!!
「くるみ割り人形」を陰山 泰の演出によるK’sメンバーのダンス(振付・森本京子)とチャイコフスキーの音楽でコロナ禍の世相と見事に合致させた作品でしたね!
劇場も閉鎖を余儀なくされ、舞台を創ることが難しい芸術の世界。
今回のK’s pro.公演は、舞台芸術に勇気と希望を与える意義のある公演だったと思います。
陰山 泰さんは、静岡・舞台芸術界のドロッセルマイヤーなのかもしれない。
ふじのくに文化情報サポーター
K.S
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