第6回 NPO法人駿河裂織倶楽部
更新日時2010.11.17
その風合いのごとくしなやかに次代に継いでいくために。
古布を細かく裂いて織り上げる「裂織」は、地方によって手法や素材が少しずつ異なる。蒲原に昔から伝わる「駿河裂織」は、しっとりとした古布を駿河湾から吹く潮風を利用して裂き、細い毛糸を一本加えて織るもの。よくある裂織にくらべてとても柔らかく、丈夫なのが特徴だ。
そして、一時は途絶えたともいわれた駿河裂織を再興させ、次代に繋いでいこうと取り組んでいるのが、この「駿河裂織倶楽部」である。現在は市からの委託もあり、蒲原本陣前の元旅籠を拠点として活動。「お休み処」と看板を掲げたそこでは駿河裂織をはじめ、地場産品が並び、四季折々の多彩な体験メニューも用意している。さらに小・中・養護学校でのボランティア講習など、伝統文化交流にも積極的。布を捨てることなく最後まで活かし、新たな用途へと甦らせる文化の担い手は、その風合いのごとくとてもしなやかだ。